子供の頃の話です。 母親に連れられて近くのスーパーへ買い物に行きました。 母親との 買い物は、欲しいお菓子をねだれる唯一のチャンスでした。 もちろん 朝から良い子を維持していた私は確実な手応えを感じていました。 『今日は絶対 何か買ってもらえる。 ジョイント・ロボがいいかなぁ・・・』 膨らむ期待。 値段も安くておまけもイカスこのお菓子が当時の私にとって 売上チャート ナンバー ワン でした。 『いつか大人になったらこいつをハコで買うぞ!!』 そんな事は 絶対にない のですが、子供の頃って必ずこんな事を 考えてしまいます。 若かったなぁ、あの頃は・・・ 続けて私は母親を探しました。 母親の持っている買い物カゴにお菓子を 入れる事が出来て、初めて交渉成立となるからです。 お肉コーナーに母親はいました。 前かがみになって肉を見ています。 その背後から私は声をかけました。 『ねぇ、ねぇ、』 振り返った母親の顔を見た時、私は母親の変化に驚きました。 メガネなど掛けていなかった母親がメガネを、それもウルトラセブンのように横に鋭いメガネを掛けていたからです。 表情も険しく、冷たい視線が私に浴びせられました。 ソレは、我が子を見る母親の視線とは全く異なっています。 姉ちゃんの好きだったテレビアニメに出てきた怖いおばちゃんが脳裏に 浮かびます。 ソックリだ・・・ いや、生き写しだ!! 何が、母親に何が起こったのか? って言うか、あんた誰? ザ・人違い!! よりにもよって何でこんなおばちゃんなんだ? 窮地に立たされた私は 必死で考えました。 どうすればこの場が収まるのかを。 『ね〜 ね〜 ね〜こ〜 ねんねんね〜こ〜 ね〜ん ね〜ん ね〜♪ (作詞:kumaZ 作曲:kumaZ)』 歌いました。 必死で歌いました。 きっと泣きそうな顔をしていたハズです。 教訓 人違いをしたら素直に誤りましょう、と言いたいのですが、子供にはソレが なかなか出来ません。 みんな子供の頃、人違いをしてしまった時どうして いたのでしょう? きっと歌を歌っていたハズです。 |