熊 禅ノ助 |
拙者の名は熊 禅ノ助。 己が腕を試す為、宛ての無い旅を続けている。 何処かも解らぬ地をフラフラ歩いていた時だ。 ふと野試合に出くわした拙者は思わず乗り込んでしまった。 ふっ、邪魔された事に憤慨したのか一方が拙者に刃を向けて来たではないか(木刀だけど)。 いざ試合おうぞ!! おおっと? 拙者、何故か大振りしまくり? 実は拙者これが初めての試合だというのに、もっと堅実な振りは出来ないのか? ぐわっ、手痛い一撃を食らってしまったではないか!! ええぇい、ままよ。 ○ボタン連打じゃ!!! 『貴様のような雑魚など物の数ではないわ(俺、瀕死やけど)』 全身が痛むが勝ちは勝ちだ。 地面に伏しておる侍に吐き捨てていた拙者の元に商人のような腰の低い男が近寄って来た。 口入れ屋とな? 情報屋か何かだと思うがよく解らん、そのような怪しげな輩は我が刀の錆に・・・出来ぬのか。 まぁ良い、今回は見逃しておいてやろう。 うむ? 何か技を覚えたようだ。 強くなっておるのだろうか? 翌日、宿屋の一室に拙者はいた。 休息するか? とんでもない、拙者の熱き血が大人しくさせてくれるはずがなかろう。 さて、何処に行こうか? む、血が呼んでおる。 やはりここは闇試合!! 人気の無い夜半過ぎ、随分と自信たっぷりな侍が拙者を挑発しておる。 ふふん、無知とは恐ろしい。 己の愚かさをその身に教えてやらねばならぬようだな。 ゆるりと真剣を構えた刹那、激しい痛みが襲い掛かった!! 飛び散る鮮血!! これは・・・拙者の血かぁぁぁぁぁぁ!! やばいぞ、ここまで出血してはPTAも黙ってはおるまい。 年齢指定になってしまうではないか。 いやいや、怪しげな電波が飛んで来たようだが、ここは心静めて間合いを計るのだ。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ どぅりゃあああああ、必殺の大振り!! 血に染まる侍!! ふふん、これで互角だな。 これで止めだぁ!! うっ、流石に刀を携えておるだけはある、なかなかこちらの攻撃が当たらぬ。 弾け合う刃と刃!! くぅらえぇぇぇぇぇぇ!! ぐわぁぁぁぁぁ・・・ 最期に立っていた者は言うまでも無いだろう。 拙者は鮮血に染まった屍を見下ろしてした。 なかなか苦戦してしまったようだがこちらの方が実力が上だったようだな。 己らのような無骨な者共を切り捨て、気に食わぬ市井の民をも切り捨て、この地に拙者の名を恐怖と共に広めなくてはならんのだ、伝説として!! ふははは、野望が膨らむわ。 うむ?今の試合を見た上で拙者に挑んでくる者がおる。 よかろう、軽く相手をしてやろうではないか。 な・な・な・・・ 体力?が回復しておらぬではないか!! 某格闘ゲームと同じ感覚でおった・・・不覚!! ふ・ふふふ・・・ 軽く一撃を食らうだけでも黄泉路を渡る事になりそうだ・・・ ・・・これだ、この緊張感を拙者は待ち望んでいたのだ!! 食らえ、やっぱり大振り!! 血を吹き出す侍!! かろうじて踏み止まったようだな、すぐに楽にしてやろう。 ジリジリと間合いを詰めていく。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ どりゃああああああ!! 拙者の刀は見事に相手の胸元を貫いた。 だが、この腹部の痛みは何だ? ・・・う、彼奴の刀が拙者の腹部を捕らえておる・・・ こ・これは、相打ち・か? 彼奴は倒れてしまったが、拙者も立ってはおれぬようだ・・・ え? ちょっと待て、セーブは? いつセーブ出来るんですか? 拙者の野望が・・・ |
熊 禅ノ助 死亡 |
熊 零ノ眞 |
私の名は、熊 零ノ眞。 消息不明になった兄、禅ノ助を探してこの地にやって来た。 当然、私も兄のように人相が悪い。 まぁ、血筋だから仕方が無い。 兄について何か手掛かりはと・・・ お、そこで野試合をしておる。 彼らに聞いてみれば何か解るかもしれぬ。 お、何だ? こいついきなり私に向かって来たぞ。 私とて兄に剣を習ってきたのだ、ここらで実力を試してみるのも良いかもしれぬ。 いざ!! ぐわっ、これが実戦か。 何だか一方的に殴られているではないか。 もはや後は無い、ここは慎重に間合いを詰めて・・・今だ!! 負けました。 悔しさに満たされた私の元にカニのような顔をした男が近づいてきた。 どうやらどこぞの剣術道場の師範のようだ。 うむ、私に道場に来いと誘っているのか。 憶えておこう。 一日休息した私は早速、教えられた道場に行ってみる事にした。 先日の男、やはりここの師範だったようだ。 『入門するか? それとも・・・』 先日、みっともない姿を見られていた私は、つい強がってしまった。 『手合わせ願おう』 む、弟子に勝てたら受けても良いとな? 馬鹿にしおって。 出てきた弟子、カニのように横移動しながらこちらの出方を伺っていやがる。 何だか腹の立つ動きだ、どいつもこいつも馬鹿にしやがって。 食らえぇぇぇ!! 食らってしまいました。 だが、奴とて無傷というワケではない。 少しずつ間合いを詰め、躍り狂う奴と私。 辛うじて、勝つ事が出来た。 何だか最初のプレイ(禅ノ助)よりも難しい気がする。 『弟子を倒したか・・・ 良いだろう、相手をしてやろう』 ぐおっ、瀕死の男に向けて容赦無く刀を構えるとは・・・ それが剣術を教える者のする事か? 卑劣なり・・・ 卑劣なりカニ男!! 貴様はフリーザか? おのれ、私の怒りの一撃を食らわしてやる!! 二秒後、カニ男の一振りで私は悶絶していました。 やっぱりこのゲーム難しい気がしてきた。 一日休息を取った私は兄の足どりを追い、人影少ない地にやってきた。 ここでは闇試合を行っている。 兄の性格を考えれば間違い無くここに来た事があるはずだ。 む、有無を言わさず私に挑んで来る者がいる。 仕方が無い、ひとつ相手をしてやろう。 お、何だ? 無傷で勝ててしまった、私もなかなかではないか。 実は道場で暴れていた時に×ボタンにて防御が出来る事を知ったからなのだ。 攻撃と防御、一歩前進だ。 あの敗北は無駄では無かった。 更に挑んで来る輩がいやがる。 ふふふ、やはり私も兄と同じ血が流れていたようだ。 挑んで来るなら受けてやらねばなるまい!! 死亡!! 激しい突きを食らって死んでしまいました。 セーブしてなかったのにー!! |
熊 零ノ眞 死亡 |
熊 零佐衛門 |
拙者の名は、熊 零佐衛門。 人は拙者の事を
『ぜろざえもん』 と呼ぶ。 不肖の兄達が死んだという地にやってきた。 このまま熊一族は弱いという汚名を残していたのでは末代までの恥、熊一族を馬鹿にしている奴は一人残さず刀の錆にしてくれようぞ。 ちなみに人相はやっぱり悪い。 む、そこで野試合をしておる。 どうやら勝負あったようだな。 よし、まずはこいつから血祭りだ(木刀だけど)。 おおっ、強いぞこいつ!! やはり最初のプレイ(禅ノ助)が一番簡単だったではないか!! 何とか勝てたが危なかった。 兄達が敗れるのも納得というところか。 そんな拙者の元に一人の商人が近づいて来た。 こいつが噂の情報屋か。 いや、よく聞いてみると裏の仕事を紹介してくれるようだ。 拙者は早速その口入れ屋を訪れた。 こいつ、色々と教えてくれる。 ふむふむ、闇試合は最初はあまり近づかない方が良いのか。 ほほぅ、村岡(だったっけ?)なる道場が近くにあるというのだな? 憶えておこう。 早速ひとつ仕事があるではないか。 人助けか、いいだろう。 まずは身銭を稼いでおこうか。 ワラワラと現れる雑魚を切り捨てて進む零佐衛門。 こんな奴ら敵ではないわ!! 発見其の壱 : 上のボタンを押していると走れるぞ!! 発見其の弐 : 上のボタンを押すと構えが変わるぞ!! 違いがよく解らないのでそのままにしておこう。 発見其の参 : 上のボタンを押すと刀を鞘に納めたり抜いたり出来るぞ!! 発見其の四 : 刀を鞘に納めたまま画面が切り替わると目の前にいきなり敵が現れて手痛い 一撃を食らってしまうぞ!! 気が付けば拙者、血だらけではないか。 おのれ、こうなったら・・・ 走る侍!! 雑魚を避けつつ走る走る!! まるでバイオハザード!! そして行き止まり、大陸面した男が待ち構えていやがった。 中ボスってやつか? 貴様のような鈍ら刀が拙者に触れる事など出来ようものか!! 食らいやがれぇ!! ふっ、拙者が人助けとはな。 まぁ良い、報酬を頂いて帰るとするか。 ん? 何だと? 報酬が得られぬではないか!! てっきり得た報酬で刀を買い換えていくものだとばかり思っていたのに。 仕方が無い、もう暫くこの刀に血を吸わせてやるとするか。 おっと、ここで忘れずに記録(セーブ)しておかねばな。 次に拙者、やはり闇試合に挑んでみる事にした。 今宵は雑魚が多いらしく、軽く二人を血祭りだ。 とは言うものの、拙者もなかなかの痛手を負っている。 そんな血だらけの拙者を前に息巻いておる輩がいるが、無理をする必要は無い。 背を向けた拙者にそいつは罵声を浴びせてきやがったが気にする事もあるまい。 弱い犬ほどよく吼えるものだ。 一日の休息と記録の後、拙者は村岡(?)道場に赴いた。 カニのような男が出てきたのだが、やたら高圧的な態度が気に障る。 『手合わせ願おう』 ほぅ、まずは門下生を相手にさせて拙者の腕を見ようというのだな。 いいだろう、軽くひねってやろうではないか。 まずは遠い間合いから大振り!! それに合わせて反応する門下生。 今度は無防備に間合いを詰め、相手の刀よりも早く後退、目の前で奴の刀が空を斬る。 ふふん、見切ったぞ!! こいつ、横移動しながら中・下段から攻めてきやがる。 間合いを詰め、最初の一撃を防御!! よろけつつも攻撃してこようとする門下生!! 馬鹿め、頭上が がら空きだぞ!! 拙者の力強い上段が奴の脳天を直撃、二発は当たる。 そいつを二・三回繰り返すだけで奴は悶絶してしまった。 いよいよカニ男の登場である。 やはり門下生と同じ構えをしていやがる。 所詮は同じ流派、見切ったと言っただろうが!! ふふん、師弟そろって拙者に一太刀も浴びせる事が出来ぬとは片腹痛いわ。 このような道場になど入門する価値など無い!! さて、帰って記録でもしようか。 ゲームの最終目的は名だたる剣豪達に勝利する事だと思うが、どうにも何をすれば良いのかが良く解らない。 とりあえずは闇試合と仕事をこなしていこう。 なかなかに好調な零佐衛門であったが、明日はどうなるのか解らない。 記録を忘れるな!! そして精進するのだ!! 負けるな、ぜろざえもん!! がんばれ、ぜろざえもん!! |