歸らずの森


警  告
これって面白いんかいな? なんて思っているあなた。 そう、パソコンに向かっているあなた、まぁ私の話を聞いてみませんか?


普通のノベル系アドベンチャー、いわゆるサウンドノベル(某メーカー推奨の呼称)というヤツは、様々な選択肢を選んで行き、その結果、後のストーリーが変化していくという面白さがある。 が、この作品はストーリーは一本。 冒頭とラスト結果が決められているのでストーリーはほぼ一本と言っていいでしょう。 これは普通のアドベンチャーゲームです。 様々なアイテムを入手して関門を越えていくゲームです。 そいつをノベル系に作っているといった感じです。
マルチシナリオと言うてますが、別にストーリーに大きな変化なんてありません。 あるアイテムが見つからなくても代わりになるアイテムがあればそれでストーリーを進める事が出来る、当然その部分のテキストが異なる、これがマルチストーリーなんですか?

そして、システムがかなり悪いです。 ノベル系にも関わらず、テキストの読み直し(進めてしまったテキスト・ページを遡って読み直す事)が出来ません。 先に述べたようにこれはアドベンチャーなので、条件が揃わなければストーリーが進みません。 仮に読み直し機能があったとしても、場合によっては同じメッセージの繰り返しが表示されるだけになるでしょう。 それが理由なのかどうか知りませんが、そういう機能が、この手のゲームに不可欠な機能がありません。 それからメッセージ表示速度、これを変える事が出来るのですが、ボタンを押さなければテキストが進まないのであんまり意味がありません。 これはどのノベル系でも一緒なのですが、問題はそこだけではありません。 演出の為、一瞬テキストを止めてから次のテキストを表示させる、これもよく見かける事なんですが、こいつが場所によってはあまりにも多いのです。 表示速度を早くしてもそれらの動きは変わりません。 結果、表示速度を最速にしていてもハッキリ言って早くなりません。 そして、説明書に△ボタンを押せば一回読んだテキストを早送り出来ます、と書いてありますが、出来ません。 同一プレイ中だけならまだしも、一回クリアしても早送り出来ません。 何なんでしょうか、これは。

更に主人公達、なんだか変なポリゴンでキャラ造型された主人公が出てくる(説明書にも載っている)ので、どうにも好きになれません。 これはそれぞれ好みがあるのでしょうからあんまり言えませんが。 そして、こやつらの何と言うか、とってもやる気なさそうな声がちょくちょく聞こえてきます。 こっちもやる気無くなっちまいます。

説明書にはノベル系のお約束、真のエンディング目指して下さいみたいな事が書かれていますが、普通にバッドエンドを避けながらラストまでいけばそれが真のエンディングです。 悩む必要ありません。 つーか、突然のバッドエンドが多すぎます。 場所によっては複数の選択肢があっても正しい選択肢以外が全てバッドエンドなんて個所もあります。 ラストの重要部分なら解るのですが、単に危険を回避するシーンでこんなんやられても緊張感なんてありません。 苛々してくるだけです。

肝心のストーリーなんですが、これはどうでしょう。 別につまらなかったとは思わないのですが、う〜ん。 まぁこれも人それぞれという事にしておきます。

私、いわゆるクソゲーを購入してしまった時には友人その他にプレイを進めたり貸したりします。 どうだ、こんなゲームが存在するんだぞ、と言いたいワケです。 ですが、これはあまりにも酷過ぎるんでとても他人には薦められません。 新年早々、売ってしまいました。 購入してから三日後に売ったゲームなんて学生の時以来です。


最後に何か誉めるべき部分を探してみましょう。 このゲーム、迷い込んでしまった洋館から朝までに脱出しなければならないといったストーリーで、いわゆる制限時間があります。 無意味にウロウロしていたら時間オーバーになってしまいます。 ハラハラしますか? いえ、苛々します。 そして主人公達には体力が設定されており、体力が減少してくると幻聴が聞こえたり幻覚が見えたりします。 これは、怖い体験や肉体的ダメージによって減少していく体力に応じて、その度合に合わせたイベントが突然挿入されるといったシステムです。 ドキドキしますか? いえ、苛々します。

誉めてねぇやん!!


つーか、

何処を誉めたらええねん、
このゲーム!!