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撮影システム、画像処理

D50電源コード

バッテリーとチャージャー

タイマーコントローラ

現在の主力カメラはニコンD50です。赤外カットフィルターを交換しただけの普通の一眼デジカメなので、そのままでは操作性が悪くファインダーを覗きながらの操作は大変です。それに自分なりの感覚でこれで大丈夫だろう!と思って撮影したら後でピンボケ、ガイドエラーばかり・・・というのを何度経験したことか。新月期の限られた撮影チャンスを是非モノにしたいので、冷却CCDのようにパソコンでモニタ・操作できるように工夫しています。

電源
バッテリーは容量が少ないので、付属の乾電池ホルダーを改造してバッテリーから供給しています。コードを出す場所がないので、ボディに穴を開けています(^^;
電圧は12Vのままでは高すぎるので、ステップダウンコンバーターで電圧を落としています。適正電圧は7.5Vなのですが、分岐してスーパーナビゲータの電源としても使たいので9Vに設定しています。いまのところカメラ側には問題なさそうです。

タイマーコントロール
誠報社のタイマーリモートコントローラをそのまま使っています。出来ればニコンキャプチャー4カメラコントロールでバルブのタイマー設定をして欲しいのですが、機能上無理のようです。今後シャッターコントロール専用のソフトを使ってパソコンからコントロール出来るように改良しようと思っています。



システム全景

ピントチェック用スパイダー
ピント合わせ
まずD50とパソコンをUSBで接続します。ニコンキャプチャー4カメラコントロール(以下NC4)を起動して保存形式をJPG標準にして転送量を軽くします。
輝星を写野の左上隅に置いてNC4で15〜20秒間露出、40秒ごとのインターバル撮影に設定して撮影を開始します。保存されたデータをフライアイルーペCSで次々自動読み出しして、輝星に出るスパイダーの光条が鋭い十字線になるようにピントを追い込みます。

ドローチューブの移動量はピントゲージ、あるいはヘリコイドで数値化できるので、減速装置なしでも簡単に合わせられます。ただデジカメのピントはシビアで、ストッパーを強く絞めるだけでピントがずれることがあるので、ストッパーの締め方に注意して絞めた後のピントチェックをしています。またピント合わせした後にカメラ回転装置を動かしたくないので、ピント合わせの前に撮影対象に合わせて回転位置をセットして、その後はできるだけ回転しないようにしています。こんなに書くと大変そうですが、ピント合わせの操作以外はパソコンが自動でやってくれるので、10分もあれば終了します。

BORG45EDやカメラレンズ用に、ステップアップリングにピアノ線を十字に貼り付けてスパイダーを作りました。ピント合わせ時にはこれをねじ込んで調整しています。


左の写真はε160の撮影システムです。カメラ、ガイド関係の他にスーパーナビゲータやヒーターの配線があるのでゴチャゴチャしてます。これでもずっとスッキリさせたのですが(^^;
ファインダーは意外と重くてバランスを崩す恐れがあるので、ピント合わせ後に必ず外しています。



フライアイルーペCSとニコンキャプチャー4カメラコントロール(パソコン画面)

ガイド基板、USBハブ、コントローラーリレー内蔵タッパー


ガイド中に表示している画面(PHD Guiding,マイピクチャー)
撮影:
ピント合わせが終わったらNC4でRAW+JPG保存に変更して起動したままにしておきます。USBで連結してNC4を起動しておくことでデータはカードではなくパソコンのマイピクチャーに保存されます。これで撮影の準備は出来ました。

次は撮影対象を写野の中心へ持ってくる操作です。まずスーパーナビゲータで大体の写野にセットして、ノータッチガイドでテスト撮影をします。マイピクチャーに保存されたJPG画像から対象を確認します(淡い対象の場合はRAWをNC4で強調処理してみます)。その画像から写野の中心へ持っていく移動距離を決定します。
あとはオートガイダーの設定をしてタイマーリモートコントローラで撮影時間、撮影枚数を設定して撮影に入ります。

オートガイダー

イメージャーは高感度のDSI-PROを使い、makkachiさんのUSB基板を介してPHD Guiderというフリーソフトでガイドしています。100円タッパーに基板と電源付きのUSBハブを内蔵して、DSIとガイド基板、D50をハブに繋いで、そこから5mのUSB延長ケーブルでパソコンに繋いでいるので、撮影中は車中などの暖かいところでモニタ出来るようになりました。
赤道儀のコントローラは、タッパーにST-4用のリレーを自作したので、コントローラをケースに繋ぐとマニュアルでも微調整できます。
PHD GuidingにはASCOM経由で接続しているので、将来的にはASCOMで対象の自動導入や自動ピント合わせも可能です。

ガイド鏡はBORG76EDをフロントヘリコイド仕様にして、ヘリコイドを2本の鏡筒バンドの間に挟むようにして強化しています。微動はイメージシフトで行っていますが、DSIは高感度なのでイメージシフト無しでも可能かもしれません。PHD Guidingはオートキャリブレーションなので、細かい設定なしにキャリブレーションが終了したらガイドを始めます。キャリブレーションはST-4とよく似た方法のようで、時間が少々かかりますがガイド性能は優秀です。


ASCOM経由でガイド基板(LX200)を設定する手順
(予めシステム設定でUSB-serialコネクタのcom portをcom1あるいはcom2に設定しておく)



パソコン:中古のVersaPro PenV550MHz、メモリ256MBです。赤道儀からUSB1本で繋いでいます。撮影、ガイド、画像チェックの全てを賄うには荷が重くなってきました。液晶には眩しくないようにグレーのアクリル板を貼り付けています。
電源はアウトレットのバイク用バッテリーを2個並列にしてステップアップコンバータ経由で供給しています。1個では容量が足らなくて充電できませんでした。バッテリーとパソコンをアルミケースに入れて移動できるようにしたのですが、か〜な〜り重いです(^^;
またタッチパッドは外では操作しづらいので、指輪のような形をしたトラックボールを使っています。

パソコンで撮影データをリアルタイムにモニタできるので、ピント・ガイドの状況や空の状態で変わるバックグラウンドの明るさや適正露出などを逐次チェックしています。

ダーク撮影
D50のダークノイズはかなり少ない方ですが、ダークノイズの除去は必枢です。撮影中にダーク撮影するのはもったいないので、いつも撤収時に撮影をはじめます。カメラを望遠鏡から外して電源を標準バッテリーに換え、レンズキャップをして撮影枚数と同じ枚数撮影します。例えば1対象につき10分8枚撮影すれば、ダークも10分8枚撮影します。自宅では外に放っておいたり、遠征時は帰りの車中窓を開けて撮影しています。
外気温は厳密には同じではありませんが、それほど気にすることはなさそうです。それよりも撮影枚数を重ねるたびにCCDの温度が増して熱ノイズが増え、1枚目と8枚目ではノイズが全く違ってくるので、奇麗にダークを除去するには撮影枚数を揃えるのが良いと思います。

画像処理のルーティンワーク
@まずRAPでNEF(RAW)画像を読み込み、ダークノイズを除去します。輝点・黒点除去を少しだけ施して、現像せずにNEFのまま保存します。RAPの最新版では一括処理で処理が楽になりました。

ANEF画像の一枚をニコンキャプチャー4(NC4)で読み込み、周辺減光補正(ビネット)、ホワイトバランス調整、露出補正、コントラスト・明るさ補正、ノイズリダクションなどを使ってヒストグラムを出来るだ広く、滑らかでナチュラルな画像にします。同時に撮影したコマは一括処理で全く同じ処理をしてTIFで保存します。

Bステライメージ4で全てのコマを読み込みコンポジットします。コンポジットは基本的に加算平均を使っていますが、輝度の差が大きな対象や非常に淡い星雲には加算してたまにデジタル現像を行うこともあります。コンポジット画像はTIFで保存します。

C上の処理でほぼ仕上がっているのですが、TIFをフォトショップエレメンツ3で開き、レベル、明るさ・コントラスト、シャドウ・ハイライト、色相・彩度などで画像を完成します。このときバックグラウンドのRGBレベルを(R50,G50,B60)前後に合わせています。以前はコントラストを強調していましたが、今はコントラストを弱めに色相彩度を少しいじって色で強調しています。それと偽色を簡単に除去したいときにフィルタの「ノイズを低減」を使っています。フォトショップエレメンツはトーンカーブ修正出来ないのでトーンカーブを弄りたいときはステライメージ4で読み込みなおしています。

基本的な作業は以上のような感じです。他にもフォトショップCS2を使うことがありますが、まだ使いこなせていませんしエレメンツの方が直感的で使いやすいです。最新のエレメンツVer5は簡単なトーンカーブや歪み補正まで付いているのでお買い得かもしれません。
出来上がった
画像をフォトショップエレメンツ3でWeb用にJPG画像にしたり、プリントアウトします。この機能についてはCS2とほぼ同じで全く不満はありません。エレメンツでカラーマッチングしたのでCSでやり直すのが面倒なのもあるのですが(^^;

備忘録のような感じでまとめてみましたが、たぶん数ヶ月後にはかなり変わっていると思います。私がこの趣味にはまっているのは自分で工夫する楽しみがあるからで、たぶんとどまることはないでしょう。結構散財する割には貧乏性で、へんな安物機材を掴んでしまうことが多かったりしますが、それを何か使い物に出来ないかなぁなんて考えるのも楽しみのひとつになっています。