真ん中の黄色く大きな星がさそり座のアンタレスで、そのまわりに赤、黄、青と信号機のようにカラフルな散光星雲が取り巻いています。
銀河を構成している星が写野全体に散らばっているところに、左に向かって暗黒帯が伸びているのも印象的です。
アンタレスの右上にある球状星団はM4で、暗い空なら肉眼でも見えます。

この散光星雲はもちろん肉眼では全く見えませんし、改造デジカメで撮影しても画像処理前は非常に淡い色です。この写真は先輩方が写した写真を参考にして、生画像をこねくり回してやっと仕上げました。

またアンタレスの光が強くてゴーストが出てしまったので、画像処理でゴーストを消しています。ここはもっと時間をかけて望遠鏡でモザイク撮影をしてみたいと思っています。
アンタレス付近の散光星雲
2005年4月17日 1:14〜1:23
露出:3分×3枚
レンズ:Nikor 135mm F2.8→F4
カメラ:Nikon D70(IR改)
フィルタ:LPS-P2
ガイド:EM200Bにてノータッチガイド
場所:自宅

2006年3月5日 2:47〜3:16
露出:5分×5枚
レンズ:AF Nikor 50mm F1.4→F2.8
カメラ:Nikon D70(IR改)
フィルタ:LPS-P2,L41
ガイド:EM200Bにてノータッチガイド
場所:由岐町 潮吹き展望台

さそり座の頭部
さそりの頭部は非常にカラフルですが、淡い星雲なので何度挑戦しても色調をうまく出せません。
今回の撮影では空の状態が良かったものの撮影枚数が少なかったので、色むらと荒れを調整するのが大変でした。結局1ヶ月かけて、やっとまずまず満足のいく画像になりました。
透明度が良かったのでアンタレス周辺のカラフルな散光星雲と暗黒星雲、その上の三ツ星周辺に広がる青い星雲まで良く写りました。
銀河の濃い部分は強調するとすぐ飽和してしまうので、出来るだけ飽和しないように注意して処理しています。
絞りは2.8に設定し、フィルターをつけたので全面シャープな画像です。
アンタレス周辺
2007年4月20日 1:15〜2:18
露出:10minx2x3mosaic
レンズ:miniBORG45EDU+7885 (fl276mmF6.1)
カメラ:Nikon D50(IR改)ISO1600
フィルタ:LPS-P2
ガイド:EM200Bにてノータッチガイド
場所:自宅

10分2枚なので露出が少ない分ノイズ感が目立ってしまいましたが、全体の雰囲気は出せたと思います。
アンタレス周辺の星雲