IR改造D70
D70内蔵フィルター
リモコンML-L3
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Nikon D70
EOS kiss Digitalとともに一眼デジタルを普及させたカメラ。昔35mm一眼レフカメラで天体撮影に挫折した私にとって、まさに夢を実現させてくれるカメラです。
D70を天体写真専用に改造
私のD70は天体撮影用に内蔵フィルターを改造しています。
星が爆発したときに発生するガスは主に水素(H)による光で、その光は赤外線に近いHα領域と呼ばれています。
天体写真でよく見る美しい赤いガスを撮影するにはHαがバッチリ写るカメラでないと物足らないのです。
ところがHα領域が写るようにカメラを設定すると、一般撮影では赤っぽくなって使い物になりません。したがってデジカメにはHαを含めて赤外線を遮断するフィルターが内蔵されています。
天体写真専用のカメラはこの内蔵フィルターを外して、Hαを透過する赤外カットフィルターを装着したものです。
もちろん内蔵フィルターを外すだけでもHαは写りますが、フィルターを外すとオートフォーカスが使えませんし、露出したCCDにゴミが付着してしまいます。
赤外カットフィルターは内蔵フィルターと同じ厚みなのでオートフォーカスが使えますし、Hαが良く写るうえに不要な赤外光をカットしますし、CCDも保護出来るという点で必要でしょう。
改造カメラを一般撮影でも使いたい
カメラを改造したら一般撮影には使えないかといったらそうでもなくて、ホワイトバランスをきっちり調整すれば色補正できます。ただカメラに内蔵されているホワイトバランス(オート、蛍光灯、電灯など)では十分に補正できません。
生データ(RAW)で撮影保存して、あとでRAW現像できるソフト(ニコンキャプチャー4、フォトショップのCSやELEMENTS3など)で現像すると細かくホワイトバランス調整できます。調整は同じ条件下であれば補正値を決めて次々と現像できます。(といっても1枚ずつ補正してデータを保存するのは面倒ですが・・・)
もうひとつ一般撮影での簡単な色補正法があるそうです。
D70の内蔵フィルターを見ると緑色をしています。これは緑の色補正フィルターと赤外カットフィルターを合わせたものだそうです。
ということで一般撮影では緑系のフィルターをつけるとかなり普通に写るそうです。試してないのでどれくらいうまくいくかはわかりませんが、赤外線付近は透過するので赤外線を強く出す光(タングステン光など)の下では補正しきれないかもしれません。
リモコンは貧弱
D70のリモコンはシャッターボタンのみ。D70は他のリモコンと互換性がないので電子工作の出来る人はタイマーリモコンを自作しているみたいです。それに比べてキャノンのタイマーリモコンはスゴイ!
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Nikon D50
D70はノイズが多く超高感度が使えないので、ノイズが少ない安価なD50を購入してフィルター改造してもらいました。D50の改造はD70に比べて難しく、自分で改造する自信がなかったので、知り合いにお願いして改造してもらいました。
まず使ってみてノイズの少なさに驚きました。ISO1600でも非常に少なく十分実用出来るので、ISO3200を設定して欲しいほどです。
ボディーはD70より一回り小さく軽いので、ヤワなSE200Nのドローチューブにもってこいです。
ただRAW現像したときに淡い部分の階調が少ないような気がします。画像処理エンジンでノイズ除去を強くしていて、淡い階調が一部失われているのでしょうか。
とはいっても超高感度撮影ができるので、冷却CCDが必要ないと思うほど良く写ってくれます。poorman's
SXV-M25Cですね(笑)
ボディーの下に写っているのは、けーたろさん作のピントゲージです。ボディー下のカメラネジに取り付けるので、様々な鏡筒に対応できる便利グッズです。これとフライアルーペを使う(ニコンではニコンキャプチャー4も必要です)と、ほぼ完璧にピント合わせが出来ます。
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タイマーリモートコントローラー
誠報社から発売しているタイマーコントローラーです。
キャノンのリモートコントローラーが天体写真専用か?というくらい非常に便利なので、それをD70に使えるようにしたものです。
カメラのホットシューに付いているのが赤外線を発光する部分。これにキャノンのリモコンをつないで、リモコンの指示どうりに発光させる仕組みです。
キャノンのリモコンは例えば、5分露出で撮影が終わったら1秒後にまた5分露出という命令を4回繰り返し、というのが1度に出来ます。
これでキッチンタイマーを見ながらうろうろしなくてすみます。
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カメラレンズ
SIGMA ZOOM 17-70mm F2.8-4.5 DC
仕事用に買ったマクロズーム(なんと被写体をレンズにひっつけてもピントが合います!)ですが、広角側が明るいので星野用にも使おうと思っています。
AF NIKKOR 50mm F1.4 (中古)
明るいレンズで星野撮影に使っています。デジタルではハロや色むらが出ますが、F2.8に絞るとなかなか良い写真が撮れます。
SIGMA ZOOM 18-50mm F3.5-5.6 DC (中古)
デジタル対応なので普通のレンズにしては収差が少なく、星野写真に使えます。風景や部屋の中を撮影するには広角が使いやすいですね。
TAMRON SP AF ASPHERICAL XR Di LD 28-75mm F2.8 ZOOM
優秀なレンズで、色収差が少なくもっぱら星野撮影に使っています。広角側のピントは無限遠で合うのですが、望遠側は片ボケします。全域で開放F2.8なので、ぼかしなど凝った撮影も出来ます。
TAMRON AF ASPHERICAL LD 28-200mm F3.5-5.6 ZOOM (中古)
運動会など一般撮影で望遠が必要なときだけ使います。
MF NIKKOR 135mm F2.8 (中古)
オークションで6千円で落札しました。デジカメで写すと色収差が盛大に出ますが、フィルターワークなど工夫次第でかなりシャープに写ります。これくらいのレンズならガイドエラーがなく、大きな星雲星団にちょうどいい画角なので重宝しています。
MF NIKKOR 200mm F4 (中古)
学生時代に欲しかったレンズです。懐かしくて衝動買いしてしまいました。ハズレのレンズなのでしょうか、無限遠でピントが合わずピント合わせに苦労するので全く使っていません。
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ペンタックス6x7(55mmF3.5)、67(105mmF2.4)
デジタル一眼では星野撮影がもの足らないので、とうとう禁断の銀塩中判に足を踏み入れてしまいました(笑)
20年前に失敗作ばかりでもう銀塩はやらないと決めていたのですが、先輩方の秀作に刺激されてちょっとやってみようかなと思ったら、どっぷり浸かってしまいました(^^;
左上は最初に購入したジャンク品の6x7ボディーで、標準レンズ込みで約1万円でした。激安の理由は電子シャッターが壊れており、修理するには10万円を覚悟する必要があるからです。しかし天体撮影には全く必要のない機能なので、無電源改造キット(3千円ほど)を付ければ問題なくバルブ撮影が出来ます。吸引改造していないものの、カメラレンズなら30分程の露出で十分なので問題なさそうです。
これに味をしめて広角の55mmF3.5を購入しました。銀河を一網打尽にできるうえにノータッチガイドで十分なので撮影がとても楽しくなります。さらに星景撮影にもうってつけのレンズなので、これ1本で満足できます。
左下のレンズはEDHF用のx0.77レデューサーで、105EDHFに装着すると540mmF5.1の望遠撮影が出来ます。
右下は150mmF2.8で、オリオン座など星座全体を撮影するのにちょうどいいレンズです。
右上は長時間露出をするために購入した吸引改造済ボディーです。長時間露出をしていると露などでフィルムが浮き上がってピントが甘くなるのです。これを防ぐために裏蓋から吸引してフィルムの浮き上がりを抑えます。
ファインダーは上から覗く固定ピントフードなのでとてもよく見えます。普通のタイプは暗いので星があまり見えず構図決めに苦労していましたが、これで楽になりそうです。
ペンタックス67は中古でたくさん出回っており、安くなっているので星野撮影をしたい初心者にオススメだと思います。フィルムが少なくなってきたのが不安要素ですが、まちのラボで増感処理、ダイレクトプリントしてもらえるので意外とお手軽です。ちょっと高くつきますが、お気に入りのフィルムを4つ切りなど大のばしにしてもらったら、銀塩のすばらしさを体感出来ると思います。
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