リボルバー 青い春![]() 《放送》2003年7月 《監督》亀井修 仁平幸男 《出演》玉木宏 森山未来 佐藤隆太 (ネタバレ・レビュー) 起承転結という定石通りには進まないこの物語のテーマは、冒頭のオサムの「今のうちに何かスゲェ事しないと」という言葉に尽きます。「今のうちに」という焦り、「何か」という漠然とした感じ、「スゲェ事」という期待。この他には、オサムを含む3人の主人公には何の共通点もなく、てんでばらばら。彼らのつながりのゆるやかさもあって、物語が予定調和の方向にすすむ悪い予感はよぎりません。 若さを持て余すかのように長い手足を持て余し気味に、趣味の悪いスーツの肩を揺らしながら歌舞伎町を歩いていくオサム。その不必要にトンがったピリピリ感は、十代のころの(おそらくは)チョいやんちゃな玉木自身を彷彿とさせます。 漂流するオサムたちも、彼らが出会う曲者たちも、一人一人が適度にコワれてて、トロくて弱くて情けなくて、でもそれぞれに小さな青春ドラマを抱えて懸命に生きている愛すべき存在なのです。大杉漣演ずるヨレたサラリーマンとタツトシとの世代間クロスオーバー・トークは最高!胸が熱くなります。オサムがヤっちゃいそうになる女の子も、実は胸焼けがするほど病的な悲しさを秘めていて、そのために気持ちも萎えてしまうオサムの、意外にも健全な感受性や行き場のない怒り。それを玉木は本当に上手く演じています。 海に向かってロシアン・ルーレットというラストのおバカなセンチメンタリズムですら、リアルな「スゲェ事」(=死)に向き合いたい彼らの一途さ・純真さ故に許せてしまいます。 実際には無鉄砲で不器用な行動の起こし方しかできず、特別なことが起こるわけでもなく、結局どこへ辿り着くわけでもない、空虚な青春・・・。でもね、あれこれ悩みながらもがいていた時間は、静かに静かに沈積していき、想像もできなかった実りになって結晶するんですよね、「オサム君」。 |