Tamaki Hiroshi Fan Site Holic
ミッドナイト イーグル
《公開》2007年11月23日 松竹
《監督》成島出
《原作》高嶋哲夫
《出演》大沢たかお 竹内結子 玉木宏 吉田栄作 藤竜也
《HP》
以下は映画全体を批判していますので、「この映画良かった」という方は読まないでください。
推理・スパイ小説のファンとしては期待して見始めた映画でした。しかし、オープニングのアフガニスタン(?)のエピソード、雪の北アルプス俯瞰映像、そして玉ちゃんが雪に埋められる雪崩シーンの他はあまり見るところのない映画でした。雪崩のシーンではいくらMont**ll(アウトドア用品一番の店です。しかも日本オリジナルーarichanKも愛用していますー)の最高ウェア着ていても寒かったでしょうね。玉ちゃん現場へ素足でいっちゃったとどこかで読みましたが、ちゃんと雪山用の靴下履いたのでしょうね。
この種の映画なら、ランボーやシュワちゃん映画のように荒唐無稽でもスピード感があって、娯楽になるか、お話が本当に怖くないとダメ。ジェームス・ボンドものでも初期は「冷戦」「テロ」の怖さがあったし、大がかりでなくてもHer Majesty's Secret Service(女王陛下の007)のスキーシーンのように手に汗握る展開があった。
まずはシナリオへの根本的な疑問
北アルプスで起爆されたら首都圏が壊滅してしまうような核弾頭はアメリカならノース.ダコタがどこかの山奥の深いサイロの中のICBMに搭載されていて、発射ボタンは全面戦争の最終手段として大統領が押すでしょう。市街地に囲まれた横田基地のステルス爆撃機に載せてあるなんてアリエナーイ。ステルスは敵に悟られないように侵入し敵情査察をするか、たとえ攻撃するにしても近距離でピンポイント爆撃をするための物でしょう。問題の爆弾ならどこへ飛んでも「終わり」ですから、飛行機は必要ないですね。
この前提を容認するとしても、横田基地に工作員が侵入したら、大事な物が載っているステルス内部を点検し、起爆装置が動いたのを見逃すはずはない。建物や橋に爆弾を仕掛けるわけではないので、時限装置そのものの存在理由もない。基地に侵入した工作員がパスワードを変えてしまったのだから、他の人間が墜落後に起爆装置を動かすことは不可能である。etc.ワケワカンナーイ展開です。
そして、墜落現場の雪山の中に敵国の軍隊がゾロゾロ。すでに起爆装置が動いていて、首都圏が壊滅することになっているなら、工作員なら目標達成で逃げるはず。この軍隊は何のためにいるの?土地勘のある松本駐屯の自衛隊山岳部隊が苦労して登っているのに、外国の軍隊が先回りして一列縦隊で歩いている。いつどこから、山岳装備、武器をもって侵入してきたの?戦闘場面も遠くからのライフル撃ち合いだけで人は死ぬけど緊迫感なし。
基地に侵入した工作員が、自分と恋人(言葉も出来ないのになぜ日本にいる?)の安全確保のために、パスワードをICチップに入れて、恋人のロケット(首に懸けるほう)に入れておくのもやり過ぎ。ICチップが見えた時には、これでミサイルの回路が動かなくなって爆発はない展開なのだと思ってしまいました。このICチップに含まれる、たかが10数桁のパスワード解読にまるでナチスのエニグマ相手のような長いコンピュータ操作。その解読を待っている「危機管理室」が総理官邸の中にあるようなのも「首都圏滅亡の危機」が迫っているのにあまりにノー天気。やはり、水と安全はただと思っている国のお話ですね。
「総理大臣の一番の仕事は戦争をしないこと」(国民を守ることじゃないの)という台詞で明らかな、教条的な反戦思想の基に「アメリカ軍の基地があるから日本は戦争に巻き込まれる」と主張したかったのかもしれませんが、それならそれで別のシナリオがあるでしょう。
よく自衛隊が協力したものとこちらも不思議。私の税金返せ!!
「オリオン」で同じようなことがないことを願います。